「ディフェリンゲル」のようなピーリング作用をもったニキビ治療薬には皮膚のピリピリ感や皮膚乾燥感などの副作用があります。
↓「ディフェリンゲル」についての説明はこちらの記事から
ディフェリンゲルのようなニキビ治療薬の副作用を軽減するには保湿を十分におこない、肌のバリア機能を高めてあげることが必要になってきます。
この肌の保湿のために皮膚科でニキビ治療薬とセットで処方されることが多い皮膚保湿剤が「ヒルドイド」になります。
「ヒルドイド」の基礎
ヒルドイドはもともとマルホ株式会社(医療用の薬の研究・開発・製造・販売などを主な事業とし、皮膚科学と外用剤に特化した日本の企業)が1954年に「凝血阻止血行促進剤」として製品化した薬です。
1996年からは血行促進・皮膚保湿剤として「ヒルドイド・ソフト」という名称で製品化されました。
2019年の今では、「ヒルドイドクリーム」・「ヒルドイドソフト軟膏」・「ヒルドイドローション」やジェネリック薬品の「ヘパリン類似物質油性クリーム」が処方されています。
「ヒルドイド」の特徴について
ヒルドイドは「ヘパリン類似物質」という成分を含んだ保湿剤です。
「ヘパリン類似物質」とは体内にも存在するヘパリンに似た物質で
②血行促進
③抗炎症作用
という3つの働きを持ち、乾燥肌に優れた効果があります。
また、ヘパリン類似物質は化粧水でおなじみのセラミド・コラーゲンよりも肌の奥深くに浸透することができ、高い保湿効果を保つとも言われています。
ヒルドイドの種類
皮膚科で処方されるヒルドイドにはいくつかの種類があります。
【ヒルドイドの主な種類】 | 皮膚保護作用 | べたつき感 |
ヒルドイドソフト軟膏 | ★★★★★ | ☂☂☂☂☂ |
ヒルドイドクリーム | ★★★★ | ☂☂☂☂ |
ヒルドイドローション | ★★★ | ☂☂☂ |
ヒルドイドフォーム | ★★ | ☂☂ |
これらの主な違いは基剤にあります。
また、それぞれに特徴があり例えば軟膏であれば皮膚への刺激が他の種類に比べて弱いため皮膚の状態を問わず使いやすくなっています。
その一方で、ローションやフォームに比べるとべたつき感が残るため出勤前、外出前に使うのには不向きと言えます。
出勤前、外出前にはローション・フォームタイプのヒルドイドを使用し、就寝前にはソフト軟膏やクリームタイプを使用するといった具合にうまく使い分けるといいと思います。
ヒルドイドの使い方
ヒルドイドは保湿効果が非常に高い保湿剤ですが、その効果をさらに高めるためにも正しく使うことが大切です。
それではヒルドイドの使用方法のポイントについて説明していきます。
・ヒルドイド保湿剤は1日2回(朝・晩)の使用が推奨されています。
・洗顔後、入浴後などの肌が清潔なときに化粧水などで肌を潤し、そのあとにヒルドイドを塗り込みます。
・顔全体にぬる場合、およそ1gの使用が目安とされています。

1gはヒルドイドソフト軟膏・クリームであれば、人差し指先端から第一関節まで×2が目安。
ヒルドイドローションの場合は、1円玉くらいの大きさ×2が目安となります。
ヒルドイドの価格について
肌のバリア機能を高めるための保湿剤として優れた効果を発揮するヒルドイドですが、ニキビ治療を続けるあいだ併用するとすれば短くとも数か月、長ければ数年というスパンで使用することになります。
そうなると気になるのが価格。長い間使うものであれば当然価格は安いほうがいいですよね!
ここからは実際に医師からヒルドイドの処方を受けたらいくらかかるのかについて説明します。
【種類】 | 【薬価/g】 | 【内容量】 | 【一本分価格】 |
ヒルドイドソフト軟膏 | 22.2円 | 25g/50g | 555円/1110円 |
ヒルドイドクリーム | 22.2円 | 25g/50g | 555円/1110円 |
ヒルドイドローション | 22.2円 | 25g/50g | 555円/1110円 |
ヒルドイドフォーム | 22.2円 | 92g | 2042円 |
上記表の一本分価格は総額になります。
保険適用の場合、3割が患者負担分になりますのでヒルドイドソフト軟膏であれば一本分価格約166円、最も高いヒルドイドフォームでも約612円が実際に負担する金額になります。
2回/日の使用であれば、50gでおよそ一ヶ月分になるので一ヶ月当たりの負担額は、およそ300円になります。
この記事のまとめ
- ヒルドイドはマルホ株式会社が開発した血行促進・皮膚保湿剤
- ヒルドイドの成分「ヘパリン類似物質」は保湿効果に優れている
- ヒルドイドにはいくつか種類があり、用途に応じて使い分ける
- ヒルドイドは1日2回(朝・夜)の使用がおススメ
- 一回の使用量は1gが目安
- ヒルドイド一ヶ月あたり300円~1200円(別途諸費用)
ぼーろぐではニキビをはじめ筆者自身のコンプレックス克服過程で学んだことを発信しています!