ターンオーバーという言葉を知っていますか?
ニキビに悩む人であれば耳にしたことがある言葉だと思います。
ニキビだけでなくシミ・しわなど肌の悩みの多くにとって重要な鍵となるターンオーバーですが、言葉は聞いたことがあってもそれがどういう仕組みなのか、そしてどうニキビと関係しているのか理解している方は少ないと思います。
ニキビ肌の改善には、このターンオーバーの理解が不可欠です。
今回はこのターンオーバーの仕組みとニキビとの関係性について説明をします。
ニキビはターンオーバーの乱れにより出来る?
そもそもニキビは肌の毛穴が角栓により詰まり、その内部に皮脂が溜まることで出来ます。
ニキビがなんで出来るのかについてはこちらから↓
毛穴が角栓により詰まってしまうのは、角栓のもとである古い角質がうまく排出されず蓄積してしまうからです。
そして角質がうまく排出されなくなってしまうのは肌のターンオーバー(肌の細胞が新しい細胞に生まれ変わる新陳代謝のこと)の乱れが原因です。
ニキビがなぜ出来てしまうのかを詳しく理解するにはまずターンオーバーという肌の機能を理解する必要があります。
それではまずターンオーバーについての説明からはじめます。
ターンオーバーについて
ターンオーバーとは皮膚が新しく生まれ変わること(このことを肌の新陳代謝とも言います)です。
皮膚といっても実際に生まれ変わるのは皮膚の中の最も上の層で「表皮」と呼ばれる部分です。
皮膚はじつは三層からなっており上から表皮・真皮・皮下組織とそれぞれ呼ばれています。

さらにこの「表皮」という層はさらに上からそれぞれ角質層・顆粒層・有棘層・基底層と呼ばれる四層に分かれています。

まず皮膚のもとになる新しい細胞(角化細胞)が表皮内の最も下層である基底層で作られます。
そして基底層でつくられた角化細胞はおよそ14日間をかけて有棘層→顆粒層を経て形を変えながら最も外側の角質層に到達し、角質細胞という細胞になります。
この角質細胞は角質層に積み上げられていき14日間ほどで垢となりはがれ落ちます。
この一連のサイクルをターンオーバーと言います。
ターンオーバーの乱れにより起こること
ターンオーバーが乱れてしまうと、様々な肌トラブルが生じることになります。
具体的にはターンオーバーが乱れることで、肌のバリア機能を担う角質細胞の成長が不十分になります。(細胞が未熟な状態のまま角質層へやってくる。)
また細胞の成長が早熟なことからその成長過程で生まれるNMF(Natural Moisturizing Factor)や角質層に存在するセラミド等の肌の保湿維持・バリア機能を担う成分の生成量も十分に行われなくなります。
このように肌のバリア機能が弱まっている状態だと乾燥しやすくなったり、ピリピリしたり、ニキビが出来やすくなったりとさまざまな肌トラブルが生じることになります。
またターンオーバーが乱れると役割を終えた古い細胞が肌表面からうまく剥がれ落ちることが出来ずに蓄積されやすくなるということも起こります。
この角質は角栓のもとになるため、角質の蓄積=毛穴が詰まりやすくなることでニキビが出来やすい肌状態になってしまいます。
それがさらにひどくなると「角質肥厚(かくしつひこう)」という状態になってしまうこともあります。
また化粧水の浸透を蓄積した古い角質が邪魔することになり、その結果肌が乾燥しやすくなってしまうこともあります。
ちなみにターンオーバーの正常なサイクルは年齢・性別により異なりますが、20歳であれば28日程度が1サイクルと言われています。
年齢別のターンオーバー周期のおおよその目安は
で算出できます。
ターンオーバーの正常化=脱ニキビ肌
ニキビの原因=ターンオーバーの乱れということがここまでの説明で分かって頂けたかと思います。
ターンオーバーが乱れることで本来肌が持つ保湿機能や外からの刺激を守るバリア機能がうまく機能しなくなりニキビが出来やすくなってしまいます。
つまりターンオーバーが正常に機能するようになればニキビ肌から卒業できるということです。
では乱れたターンオーバーを正常化するにはどうすればいいのでしょうか?
これについてはまた別の記事でご紹介します。